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都政改革と入契制度

2016/11/5 

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「やはり」と言うべきか。ワイズ・スペンディング(税金の有効活用)を合言葉に、東京都の調達・契約制度の「適正化」を検討していた都政改革本部の内部統制プロジェクトチームが、「最低制限価格を一律に設定する運用を改め、原則通り『特に必要のあるとき』に限定すべき」「最低制限価格を設定できない特定調達(WTO協定)を厳格に運用すべき」との提言をまとめ、11月1日の本部会議に報告した。深刻な人材不足や多発する不調に対応し、将来にわたって公共事業の担い手を確保・育成していこうと都が打ち出してきたさまざまな施策を否定した、「安く受注させることが賢い税金の使い方」とでも言いたげなあまりにも偏向した内容だ。
 右肩下がりの建設投資が続く中で過当な競争が激化し、いわゆるダンピング受注が常態化した。中には建設コストの縮減額を公約に掲げたり、その成果を誇る首長も少なからずいた。日本の建設業は疲弊し、特に社員の教育や福利厚生に力を注いだ地域の有力企業が事業規模の縮小、あるいは倒産といった事態に陥った。
 しかし、2011年の東日本大震災の発生と、その後の復旧・復興の本格化、政府の経済対策、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の招致決定などを契機に、公共事業を取り巻く環境は大きく変化。深刻な人材不足が浮き彫りになり、労務単価や資材単価が高騰したことで、公共事業の不調が頻発するようになった。
 11年度に6・6%だった都の不調発生率は、13年度に13・1%、14年度に13・5%にまで増加。危機感を持った都は、改正公共工事品質確保促進法(改正品確法)をはじめとする担い手3法を踏まえた、市場価格と予定価格の乖離(かいり)の解消や工事発注時期の平準化、最低制限価格制度の適用工事の拡大などの取り組みを推進。1件当たりの入札参加者の増加や不調の抑制といった効果が表れ始めてきたところだった。
 そんな中で、コストカットだけを追求すればどうなるのか。内部統制プロジェクトチームは豊洲市場の建設と築地市場の解体といった“特殊”な工事をケーススタディーとし、「最低制限価格があるために、安く施工できると応札した業者は失格してしまう」「1者応札だと落札率が高くなる。参加申請が1者しかなかったら入札を回避すべき」などと指摘し、落札価格を下げることが「ワイズ・スペンディング」と結論付けようとしているのだ。「安ければ良い」という暴論は品確法の理念を無視し、社会保険の加入や他産業並みの給与の確保といった建設業の持続可能性に向けた取り組みを阻害するものだ。
 地域の安全・安心を守り支える建設業が減り続けることを都民は望んでいるのだろうか。小池百合子知事の掲げる「セーフシティ」や「ダイバーシティ」は、担い手である建設業が不健全な競争を強いられる中で実現できるのだろうか。高品質な工事を適正な価格で調達することこそワイズ・スペンディングではないのか。行政、そして建設業界は、“説明責任”を果たし、時代に逆行するかのような制度構築に歯止めを掛けなければならない。

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