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(2016/11/11)

【大阪府】広がり見せる公共施設の木造・木質化
〜 急がれる「木材利用方針」の策定 〜

 

 2010年10月に施行された「公共建築物等木材利用促進法」。目的は、公共建築物への木材利用を促し、木材の供給確保、林業の発展、森林の適正な整備、木材自給率の向上につなげることだ。国は「木材の利用に関する方針」を策定した自治体に対して、整備費を支援するなど、効果的な木材利用の拡大を図っており、全国1741市町村の方針策定率も87%まで上がってきた。近畿圏の策定状況を見る。

 

策定率低い都市部


7月末現在、全国市町村の策定率は87%(都道府県は全て策定済み)。これに対して、大阪府下の策定率は49%(43市町村中21市町村)で、最下位・沖縄の2%、東京の19%、千葉の43%、神奈川の48%に次ぐ下から5番目。全国平均より38ポイントも低い。
近畿圏では、京都、奈良、和歌山がいずれも100%で、兵庫が88%、滋賀が84%と平均並みの策定率だったのに対して、大阪の低さが際立った。全国的にも都市部で低い傾向となっている。

市町村木材利用方針の策定状況(8月末現在)は以下のとおり。

市町村木材利用方針の策定状況(8月末現在)


 法律には「都道府県知事は、都道府県方針を定めたときに内容を公表し、関係市町村に通知しなければならない」「市町村は都道府県方針に即して、当該市町村の区域内の公共建築物における木材の利用の促進に関する方針を定めることができる」とある。あくまで努力義務のレベルだが、近畿圏の策定率を伸ばすためにも府県から市町村への再度の周知がほしいところだ。

林野庁では、建築着工統計(国土交通省)の14年度実績データを元に都道府県別公共建築物の木造率を独自に集計。大阪の木造率は3.2%と、ここでも、沖縄の0.2%、東京の1.9%に次ぐ低さにとどまった。全国平均は40.3%。


CLT一般社団法人CLT協会HPより

 CLT(Cross Laminated Timber)

厚みのある製材を木目に直交する形で、接着剤で重ね張り合わせた積層材。
従来の木質の建築資材に比べ、強度が高く、断熱性にも優れ、従来は不可能だった多層階の木造建築を可能にした。

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CLT工法の活用に力


 木造・木質化促進に向けては、新たな製品・技術の開発が不可欠だ。近畿中国森林管理局資源活用課の佐藤秀憲課長は、「特にCLTの活用に力を入れている」と話す。国土交通省では、本年4月にCLTを用いた建築物の一般的な設計法を告示。これを踏まえ、林野庁ではCLTを活用した先駆的な施設整備の支援を行い、施工方法の早期確立を目指すようだ。

木造化した皇宮警察本部京都護衛署第1警備待機所



京都御苑


 近畿地方整備局では法施行後、木造化や内装の木質化に着手。低層施設は原則、木造とし、これまでに皇宮警察本部京都護衛署第一警備待機所などの整備を手掛けた。本年度はさらに京都御苑中立売休憩所の新営を木造で計画。現在、工事の発注手続きを進めているところだ。CLTなどの製品・技術開発と共に、徐々にだが公共施設の木造化・木質化が広がりを見せつつある。
▽京都御苑中立売休憩所施設概要―木造平屋約600平方メートル、設計者・柳澤孝彦+TAK建築研究所、発注者・近畿地方整備局

京都御苑中立売休憩所の完成予想図

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和歌山地方合同庁舎建築工事


和歌山合庁・木村春喜所長(東急建設)

 声掛け運動で安全・安心へ

交通量に加えて人通りも多く、工事車両の出入りには細心の注意を払いながら作業が進む。木村春喜作業所長は、「南側の検察庁舎、東側の既存合同庁舎、北側の裁判所の業務に配慮し、振動、騒音には特に配慮している」と話す。
工期短縮のため、先行して上層部の鉄骨組みに着手すると同時に、地下工事にも着手。10月末現在で38.7%の進捗率となっている。今後は別途発注の電気、空調衛生、エレベーター工事が本格化するため、多い日には300人程度の作業員の入場が予想されることから、木村所長は「毎日の朝礼および昼礼、看板の設置や声掛け運動を通して、安全・安心な作業環境の構築を図るとともに、気軽に意見が言い合える風通しの良い職場作りも心掛けたい」と意気込みを語る。また、女性専用の休憩室やトイレを設けることで女性にも働きやすい環境整備にも積極的に務めている。

【概要】
▽工事名|和歌山地方合同庁舎建築工事
▽発注者|国土交通省近畿地方整備局
▽場所|和歌山県和歌山市二番町3
▽工期|2015年9月3日〜17年10月31日(立体駐車場含む)
▽工事概要|合同庁舎・鉄骨(一部鉄骨鉄筋コンクリート)造地下1階地上10階建て延べ21620平方メートル、立体駐車場(既存仮庁舎解体後)鉄骨造2階建て延べ2319平方メートル

工事が進む和歌山地方合同庁舎建築工事

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神戸地方・家庭裁判所明石支部建築工事


西脇庸介

 周辺環境への影響、最小限に

新庁舎のコンセプトは歴史景観の継承、親しまれる裁判所。外観は前庁舎の特徴だった大庇(ひさし)を継承した上下水平の庇で縦格子ラインを強調するとともに、西国街道筋に残る町並みと調和した落ち着きある色調を取り入れている。施設内は3層のついたてとの組み合わせで、利用者のプライバシーに配慮した空間を創出する。
現在は3階までの躯体工事を終え、4階は11月下旬に完了する予定。今後各階の内外装仕上げを本格化する。玄関ホールと単独法廷の壁は木のあたたかみを感じられる、自然素材の天然木練付合板による内装仕上げを施す。
所在地はJR明石駅に近く、近隣は住宅が多い。周辺環境への影響を抑えるため、型枠工事でくぎを使わない型枠パネル連結用クリップを採用、打音による騒音を抑制した他、住宅隣接面の仮囲い上にメッシュシートを設け、土埃(ぼこり)などの飛散防止対策などを実施した。
西脇庸介所長は、「さまざまな工種が集中する現場では、日々の情報共有を密にし、安心・安全施工はもちろんのこと、調和の取れた現場づくりを常に心掛けている」と話す。

【概要】
▽工事名|神戸地方・家庭裁判所明石支部建築工事
▽発注者|国土交通省近畿地方整備局
▽場所|兵庫県明石市天文町2-2-18
▽工期|2016年2月5日〜17年3月15日
▽工事概要|庁舎新築(鉄筋コンクリート造4階建て延べ2653.7平方メートル)1棟、外構工事他

躯体作業が進む神戸地方・家庭裁判所明石支部建築工事

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奈良地方気象台建築工事 施工−新井組


上田井嘉彰

 移転改築が進む新庁舎

奈良県内の気象観測、地震観測などを担う奈良地方気象台。奈良市半田開町の既存施設は、最も古い部分で建築後60年程度が経過。木造建築物もあり、老朽化対策と耐震性確保、敷地内で増築を繰り返し、事務室が分散した不便解消などを目的に移転新築が進められている。
現場では現在、毎日15人程度の作業員が入場し、躯体工事が進められている。10月末の進捗率は約40%。躯体も11月末には完了する予定でこれから内装工事が本格化する。
建設地は既存施設から離れた市街地で、世界遺産・元興寺の南に位置する住宅街の中。このため、建築物の高さは、気象観測設備(測風塔)などの一部を除き、既存建築物(解体済み)を上回らないように配慮。庁舎の構造は耐震性確保の観点から鉄筋コンクリート造を採用。内装は木材をできる限り使用し、車庫、自転車置き場は木造で設ける。
上田井嘉彰作業所長は、「周りは住宅地に囲まれているので、振動や騒音などには最大限の配慮を行っている」と話す。

【概要】
▽工事名|奈良地方気象台建築工事
▽発注者|国土交通省近畿地方整備局
▽場所|奈良市西紀寺町13
▽工事概要|庁舎新築・鉄筋コンクリート造地下1階地上2階建て延べ1382平方メートル、自動車車庫、自転車置き場など

奈良地方気象台建築工事

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大阪府営堺竹城台4丁第1期高層住宅(建て替え)新築工事(第1工区)


西寿美

 近隣住民と職人の安全を

5階建ての府営住宅を集約し、13階建ての高層住宅に建て替える。周りには既存の府営住宅があることから、近隣住民の安全を確保し、良好な関係を保って工事を進めている。
西寿美現場代理人は「協力的な自治会にはとても感謝している」と話す。自治会と連絡を密にすることで、近隣住民の要望などに迅速に対応できている。当初、工期内の竣工が厳しかったが、状況を説明し相談したところ、土曜日の工事を認めてもらい、現在まで順調に進めることができた。
杭打ち工事から始め、現在は12階のコンクリート工事を終えたところ。10月末現在の進捗率は70%だ。今後は年明けに屋外工事に入り、工期内での完工を目指す。2、3月には仮囲いを撤去しての工事になるが、近隣住民に安心してもらえるようしっかり対応する。
「近隣の皆さんが協力してくれることに甘えてはいられない。良い工事をしてお返ししていく」。最大で1日70人以上が作業する現場で、近隣住民、職人の安全を守り、無事故無災害で竣工を迎えられるよう、常に気を引き締めて残りの工事を進めていく。

【概要】
▽発注者|大阪府
▽工事名|大阪府営堺竹城台4丁第1期高層住宅(建て替え)新築工事(第1工区)
▽規模|鉄筋コンクリート造13階建て延べ8313平方メートル
▽場所|堺市南区竹城台4丁
▽工期|2015年6月12日〜17年5月19日
▽設計|藤和設計
▽監理|小林1級建築事務所

施工中の大阪府営堺竹城台4丁第1期高層住宅新築工事

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兵庫県立大学姫路工学キャンパス新本館(仮称)その他建築工事


大西正城

 大講義室など完備 新本館の建設進む

兵庫県立大学姫路工学キャンパスは、最先端工学研究・教育など、これからの大学に求められる機能強化と、学生にとってより魅力ある大学を目指しキャンパス再整備が進められている。(仮称)新本館棟は、その第一弾として建設が進む。
新本館棟には、事務・管理部門の他、さまざまな教育カリキュラムに対応できる580人収容可能な大講義室などが入る。産官学連携による交流会、一般向け公開講座など地域に開かれた機能も担う。意匠などの設計は兵庫県営繕課が直接実施している。
作業は管理部門が入る4階建て部分をA工区、2階建て部分を大講義棟B工区に分けて進められ、現在は両工区とも外装が完了。10月中にA工区の仮設足場の撤去が完了した。内装作業も順調に進み、11月からは屋外の整備が進められている。10月末の進捗率は92%。
特徴は、1階をガラス張りとし、エントランスから中庭に続く空間を一体的に構成し、ゆとりある空間を創出。また2層吹き抜けで屋外テラスを設け、ホールと大・中講義室を一体利用できる憩いとにぎわいのある空間を演出している。外観もカーテンウォール風の連窓サッシを採用し開放感を出すとともに、各階でコンクリート庇を張り出し、スリット窓を採用することで、水平ラインを強調したシャープでリズミカルなデザインとしている。さらに大講義棟の外壁のうち、外部から見える南面には、白鷺の羽ばたきをイメージし、姫路らしさと学生の飛躍を表現した化粧羽根(アルミエキスパンドメタル)がこれから取り付けられる。内装は、2層吹き抜け部および1階ホールの天井が県内産木材(桧・杉)を使用した木製ルーバーで仕上げられている。
現場代理人の大西正城氏は「今回の施工上の最重要点は、この建物の根幹となる、2.4メートル張り出した打ち放しコンクリート庇の施工だ。支保工を堅固に、存置期間も十分取り、寸分の不陸も起こさぬように注意深く施工し、満足できる出来栄えとなった」と話す。
また、今回の工事では、学生の通学路と施工箇所の輻輳(ふくそう)する箇所が多々あり、別途発注となっている各設備工事業者と協力し、無事故・無災害での工事を行うとともに、完成まで注意深く遂行することにしている。

【概要】
▽工事名|兵庫県立大学姫路工学キャンパス新本館(仮称)その他建築工事
▽発注者|兵庫県
▽場所|兵庫県姫路市書写2167
▽工期|2015年10月19日〜17年1月31日
▽工事概要|新本館棟新築・鉄骨造4階建て延べ約5571平方メートル、設備棟新築・鉄筋コンクリート造平屋約184平方メートル。屋外付帯工事(建物周囲部分アスファルト舗装)他

屋外などの整備が進む兵庫県立大学姫路工学キャンパス新本館

新本館の完成パース

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和田山集合庁舎本館棟外耐震補強その他建築工事


今村誠

 執務空間移転し耐震化を

公共施設の耐震化、老朽化対策を順次進めている兵庫県。その一環として和田山集合庁舎でも耐震補強などの工事が進められている。
本館棟は工事期間中に執務スペースを全面移転させて一部の解体、鉄骨ブレースの取り付けや一般的な改修、エレベーター棟増築などを行う。一方で保健所棟は執務スペースを移転せず、外壁改修や屋上防水などを進める。9月以降は天候不良もあったが、現在は遅れなどもなく、耐震化はほぼ終了し、外壁改修などが進められている。10月末時点での進捗率は約70%。
所在地はJR和田山駅に近く、近隣は住宅、店舗などが多い。このため現場代理人の今村誠氏は「安全作業は当然のこと。保健所棟の執務スペースや来場者への配慮、近隣への騒音軽減に気を配っている」と話す。

【概要】
▽工事名|和田山集合庁舎本館棟外耐震補強その他建築工事
▽発注者|兵庫県
▽場所|兵庫県朝来市和田山町東谷山ノ下213-96
▽工期|3月30日〜2017年2月28日
▽工事概要|本館棟(耐震補強、一般改修)鉄筋コンクリート造4階建て塔屋1階延べ約3247平方メートル、エレベーター棟増築・鉄骨造4階建て延べ約65平方メートル、保健所棟外壁改修、屋上防水改修、内装改修、第一車庫屋上防水改修、屋外付帯工事

工事が進む和田山集合庁舎本館棟外耐震補強その他建築工事

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兵庫県の主要営繕物件紹介


 兵庫県県土整備部住宅建築局営繕課では、県有施設の建設に関し、建築技術のトータルアドバイザーとして、施設整備の依頼部局と協力しながら、県民の多様なニーズに応じた施設の企画・立案を行い、基本計画、基本設計および実施設計、さらに工事監理に至る一貫した業務を行っている。

尼崎総合医療センター

神戸西部新設特別支援学校(仮称)

兵庫県公館

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